免疫力測定
(ナチュラル・キラー細胞<NK細胞>活性測定・T細胞機能測定)
≪免疫力とは?≫
免疫とは、体の中に侵入してくる外敵や、体内で発生した異常なものを排除する防衛システムです。そのシステムを担っているのが、白血球の種類であるリンパ球(B細胞、T細胞、NK細胞、NTK細胞)、単球(マクロファージ、樹状細胞)などで、これらを免疫細胞と言います。
がん細胞は健康な方でも毎日3000から6000個ぐらいは発生していると言われており、NK細胞などの免疫細胞がこれらの異常細胞を見つけ次第、直ちに攻撃してくれます。
図のように、私たちの体の中には、常にごく少量のがん細胞は存在しているのですが免疫の力でその増加を抑止しているのです。ところが、何らかの原因で免疫力が下がり、発生したがん細胞を処理出来なくなった時、がん細胞は急速な勢いで増加・増大してしまいます。
がんと免疫力の関係は重要で、当クリニックでは、腫瘍マーカーの測定とNK細胞活性測定、T細胞(Th1/Th2比)機能測定を行い、がんの勢いと免疫のバランスを見ています。
●ナチュラル・キラー細胞(NK細胞)(警察官の働き)
NK細胞は、体内を警察官のように幅広く巡回し、がん細胞やウィルス感染細胞などの異常細胞を発見すると、真っ先に単独で攻撃を仕掛けます。しかし、ピストルしか持っていない警察官のような細胞なので、攻撃力は弱く、異常細胞が多数になると破壊力が低下します。
★ナチュラル・キラー細胞(NK細胞)活性測定(月に1回測定)
・検査は5cc程の血液を採るだけです。
・測定値は、例えばシャーレの中に100個のがん細胞があるとすると、そこに患者さんのNK細胞を入れて何個のがん細胞を駆逐できるかという殺傷率を表しています。
・正常値がなく、大体20~40%の方が多いですが、10数%~80%までバラバラです。生まれつき高い人と低い人がいるためであり、低いから異常とはいえません。
・検査料金は、保険適用外です。
●T細胞(Th1/Th2比)(軍隊の働き)
T細胞はがんの免疫の主体であり、ミサイルを搭載した軍隊のような働きをする細胞です。T細胞には、探偵のような樹状細胞からがん抗原を提示され、免疫反応をコントロールする指令官役のヘルパーT細胞と、がん細胞やウィルス感染細胞を攻撃・破壊するキラーT細胞があります。ヘルパーT細胞には、Th1細胞(細胞性免疫)とTh2細胞(液体免疫)があり、細胞性免疫が低下すると、Th1/Th2バランスがTh2細胞優位の状態に傾いてしまいます。がんの患者さんは、Th1/Th2のバランスが崩れている傾向が多く、この比が低下しています。
★T細胞(Th1/Th2比)機能測定(1~3ヶ月に1回測定)
・検査は3ccの血液を採るだけです。
・測定値は、Th1細胞とTh2細胞の比率を示しています。
・基準値は、10倍以上です。
・検査料金は、保険適用外です。