丸山ワクチン(S.S.M)
●丸山ワクチン(S.S.M)の誕生
丸山ワクチン(S.S.M)は、1944年皮膚結核の治療薬として、故・丸山千里博士(元日本医科大学学長)により開発されました。
丸山ワクチンは、皮膚結核だけでなく、肺結核やハンセン病の治療にも優れた効果をもたらしました。<丸山ワクチン(S.S.M)の正式名称は、人型結核菌体抽出多糖体成分です。>
丸山博士は、その治療に打ち込む中で、皮膚結核やハンセン病の患者には、がん患者が少ないということに気づいたのがきっかけとなり、がんに対する丸山ワクチンの作用を調べる研究を開始し、1964年初めてがん患者さんに丸山ワクチンが用いられました。
丸山ワクチンの主成分は、結核菌から抽出したアラビノマンナンという多糖類(炭水化物の一種)です。
無色透明の注射液剤で、S.S.M(A)と、S.S.M(B)の2種類があり、成分は同じですが、(A)の濃度は(B)の10倍です。
丸山ワクチンは、長期間使用しても副作用はほとんどみられず、がん治療の三大療法(手術療法・放射線療法・化学療法)との併用も可能で、早期から末期までどの段階でも使用できます。特に、ビタミンC点滴と丸山ワクチンとは、相乗効果があります。
●丸山ワクチンの作用
1.白血球に対する作用
丸山ワクチンには、白血球の働きを活性化、増加させる作用があります。
丸山ワクチンは、癌細胞を直接攻撃、破壊する治療ではなく、免疫力を高めてがん細胞に対する攻撃力を強化する免疫療法です。
2.コラーゲンを増殖させる作用
丸山ワクチンの注射により、多量のコラーゲンががん細胞の周囲に作られ、がんを封じ込めてがんの栄養補給路を遮断し、がんの増殖・転移を阻止します。
3.細胞分裂に対する作用
がん細胞は、正常細胞に比べて細胞分裂の速度が速いため、細胞分裂に使用する酵素の活性が上昇します。
丸山ワクチンは、この酵素の活性を低下させることで、がん細胞の分裂を抑制します。
○治療を受けるまでの流れ○
1.必要書類の用意・・・診断書・承諾書(当院にて作成)
2.ワクチン療法研究施設へ
・初回は、ご家族もしくは身内の方が、ワクチン療法研究施設へ
出向きます。(予約は必要ありません)
・手続きと説明会で、約2時間かかります。
・説明会終了後、丸山ワクチン1クール分(20本、約40日分)を
受け取ります。費用については受付にお問い合わせください。
住所
〒113-8706
東京都文京区千駄木1-1-5
日本医科大学付属病院ワクチン療法研究施設
TEL:03-3822-2131(内線5365)
受付日
月・火・木 9:00~11:00
(祝祭日、年末年始12/30~1/4、日本医科大学の創立記念日4/15は休み)
○丸山ワクチン治療の実際○
基本的な使用法としては、1日おきに、S.S.M(A)と、S.S.M(B)を交互に皮下注射(1cc)します。
通院の場合は、休診日を避けて、週2~3回を目安に注射します。ただし、症状・経過によっては(A)のみ、または(B)のみで使用したり、(A)の連日注射をする場合もあります。
(参考文書:日本医科大学付属病院ワクチン療法研究施設より)