○呼吸法○

 

 呼吸法は、養生の基本中の基本です。
 私たちの体には、体温や脈拍、血圧、胃腸の動きなどをコントロールして、一定に保つ働きが備わっています。この働きを担うのが、自律神経で、この自律神経には、交感神経と副交感神経の2種類があります。交感神経が活発に働くことで、脈拍が速くなったり、内臓の働きを高め、副交感神経が活発に働くことで、脈拍が遅くなったり、内臓の働きが低下します。このように、2種類の神経がそれぞれ相反する働きをすることで、体のバランスを保っています。
 また、自律神経は呼吸とも関係があり、息を吸う時は交感神経が活発になり緊張状態になります。反対に、息を吐く時は副交感神経が活発になり、リラックスした状態になります。
 心臓や胃腸の動きは、自分の意思で自由に止めたり、強めたりすることはできません。ところが、呼吸は唯一、自分で自在に操ることができる機能です。
 呼吸法とは、この呼吸の生理特性を活かして呼吸を意識的に整えることで、交感神経と副交感神経のバランスをコントロールし、さらに、副交感神経の働きを活性化する心と身体のリラックス法です。


○腹式呼吸法

 腹式呼吸法は、腹筋を使って横隔膜を大きく上下させ、肺に空気を十分に取り込み、排出する方法です。腹筋と横隔膜をよく動かすことによって、腹腔内の圧がリズミカルに変動します。お腹の内臓へのマッサージ効果もあり、血流がよくなります。
 また、吐く息に重点を置くことで、副交感神経の働きが活発になり、心身がリラックスし、免疫力が上がります。
 腹式呼吸法には、順式と逆式の2種類の方法があり、息を吸う時にお腹を膨らませ、息を吐く時にお腹をへこませる方法を順式といい、逆に息を吸う時にへこませ、息を吐く時にお腹を膨らませる方法を逆式といいます。通常は、順式を覚えて、毎日行ってください。

 

○養生呼吸法

 恒川洋院長が考案した呼吸法で、医療気功の1つである“調養功”に呼吸を組み合わせたオリジナルの呼吸法です。自律神経、特に副交感神経が活性化され、心身のリラックス効果が得られます。この呼吸法と気功の動作は、“動く瞑想”にもなります。


※ 当クリニックでは、毎月1回(不定週)火曜日の午後3:00~4:30頃まで、5階の多目的ルームにて、呼吸法の指導会を行っております。
 ご予約制で、参加費はお一人1,080円です。